連載 インドの神髄
世界の技術で日本のビジネスを変える
IT大国として圧倒的存在感を誇るインドのなかでも大手のITサービス企業であるタタコンサルタンシーサービシズ(以下、TCS)。その日本法人、日本タタ・コンサルタンシー・サービシズ(以下、日本TCS)は、世界水準のTCSの技術力とノウハウを活用しながら、日本のお客様に最適なソリューションを届けています。今回、同社の戦略パートナーユニットおよびC&SI統括本部の採用を強化するにあたり、事業の強みや働く醍醐味について、統括本部長2名にお話を伺いました。
グローバルの知見を強みに、CxOとともに経営課題を解決する
──はじめに、小原さんが統括されている戦略パートナーユニットの役割や目指す姿について教えてください。
戦略パートナーユニットは、日本TCSの産業別の営業組織とは独立する形で、さまざまな業界のCIO(最高情報責任者)やCDO(最高デジタル責任者)との関係構築を推進し、新規顧客の開拓や戦略パートナーシップの構築を担う営業組織です。 このユニットは役員直下の少数精鋭メンバーにより構成され、立ち上げからまだ2年に満たない新しい組織です。少人数ではありますが、TCSがもつ幅広い技術力やソリューションおよびグローバルの知見・事例を組み合わせ、日本企業の複雑な経営課題を解決する統合ITサービスの開発を目指しています。
──立ち上げから約2年。戦略パートナーユニットが立ち上げられた背景と、TCSならではの提供価値についてお聞かせください。
コロナ禍でDXに関連するビジネスが大きく伸びた一方で、日本のCxOクラスの方々に「TCSはどのような会社なのか」「TCSが有するインドのケイパビリティをどう活用できるのか」があまり知られていないという実態がありました。そこで、日本のシニアマネジメント層の方々に直接アプローチできる専門の営業部隊として、経験豊富なメンバーを部署横断で集めて新設されたのが、この戦略パートナーユニットです。 私たちTCSの強みは、インド系IT企業としては、日本のITサービス市場で最大級の事業規模を有していることです。日本語・英語でのコミュニケーションが可能なエンジニアやコンサルタントを豊富に抱えており、プロジェクトのチーム組成にも特徴があります。グローバル系IT企業というと、「要件定義など上流工程は日本法人で、開発は現地拠点」という指令系統で動いているケースも多いですが、日本TCSの場合、提案段階からインドのメンバーが入ってお客様と議論したり、ソリューション設計を行ったりと日印並列でハイブリッドチームを組んで対応しています。 また、国内のIT人材不足や地政学的な国際情勢を背景に、海外のオフショア拠点やソーシング戦略の見直しが課題に挙がるなか、TCSは他社に先んじて2015年からインドに日本企業専用のデリバリーセンター(JDC)を設置し、日本語や日本特有のビジネス慣習を理解したプロフェッショナルを育成・確保することでデリバリー体制を強化してきている点も強みだと思います。
──小原さんは投資銀行や戦略コンサルティングファームなどのご経験を経て、2022年に日本TCSに参画されたとのこと。日本TCSや戦略パートナーユニットで働く魅力は、どのような点でしょうか。
私が驚いたのは、プロジェクトごとに日本人とインドやその他地域の人がほぼ1対1の比率で対等に参画するグローバルな環境があることです。日本と世界をつなぐ窓口として、国や文化をまたいで協力し合う。そんな環境が日常であることが日本TCSの魅力の一つだと思います。 特に戦略パートナーユニットでは、CxOの方々の課題解決に向けてゼロから提案ソリューションやお客様とのパートナーシップを作り上げる面白さを感じていただけると思います。グローバルで標準化されたプラクティスを、日本のビジネス慣習などを踏まえて日本のお客様に沿った形にしていく必要性があるので、戦略・組織設計やサービス設計など、一から考えて解決策を導くチャレンジングな経験ができるはずです。 実際、私たちのチームでは、まったく接点がなかったお客様との関係性が数十億円規模のビジネスに発展した事例もあります。戦略パートナーユニットはこうした成果を出せる仕組みやナレッジづくりも求められるので、よりダイナミックに、変化の激しい環境で自らビジネスをつくりたいという気概を持つ方には、非常に面白い環境だと思います。
多国籍なメンバーと協業する環境で、キャリアの可能性を広げる
──戦略パートナーユニットが求める人物像を教えてください。
お客様の課題を捉え、TCSのリソースやソリューションとつなげて解決策を提案するコンサルティング能力、加えてリーダーシップは欠かせません。ソリューション開発にあたり、インドのメンバーをはじめ、多様なバックグラウンドや経験、価値観を持つ人たちの知見を取り入れることも多いので、自ら考えて動ける行動力と、グローバルな同僚の力を最大限に引き出す力が必要です。個人プレイよりチームプレイで考えられる方が向いていると思います。 また、異文化コミュニケーション能力も重要です。文化の違いによる衝突をネガティブに捉えず、新たなものを生み出す機会だとポジティブに捉えて取り組める方ですと、きっとご活躍いただけるはずです。
──入社後に描けるキャリアパスはどのようなものがあるのでしょうか。
入社後は、戦略パートナーユニットのクライアントパートナーとして特定のお客様企業へのアカウント営業を担っていただくか、ビジネスディベロップメントディレクターとして担当業界のCxOとの関係構築や戦略案件の組成をリードいただくことを期待しています。それぞれ担当ビジネスの拡大に注力していくなかで、マネジメントの立場としてご活躍いただくことや、自身が提案した戦略プロジェクトのプロジェクトマネージャまたは専門知識を生かしたITコンサルタントなど、日本TCS全体で幅広いキャリアを選択するチャンスがあります。 英語力のサポート面では、英語学習プログラムをレベル別に無料で提供しており、福利厚生として学習費用の支援制度なども用意されています。学びながら実務に生かせる環境を用意しています。日常的に世界水準の協業ができる環境と、新規顧客開拓からサービス開発まで自ら戦略を練って実行していくことに興味がある方は、応募していただけると幸いです。
インドの技術力を活用し、日本企業の競争力向上に貢献する
──森さんが統括されているコンサルティング&サービスインテグレーション(以下、C&SI)統括本部の役割と、サービスの特徴について教えてください。
C&SI統括本部は、デジタルトランスフォーメーション(以下DX)のWhy(解くべき課題の定義)とWhat(ソリューション)が定まっていないお客様に対して課題設定とソリューショニング支援、さらにプログラムマネジメントやチェンジマネジメントなどの実行支援を行う部門です。 現在は日本・インド合わせて50人ほどが在籍し、クラウドやデータ&アナリティクス、プロセスオートメーション、サイバーセキュリティ、ITサービスマネジメントなど、テクノロジーエリアごとに分かれてさまざまな業界のお客様をご支援しています。 サービスの特徴は、プロジェクトを遂行する際に日本と海外の混成チームを編成する「ハイブリッドデリバリーモデル」です。TCSにはグローバルで約60万人のプロフェッショナルがおり、世界のメジャーなITベンダーとのアライアンス関係があります。加えて、インドの研究開発を担っている部門では独自にAI等の最新技術の研究をしているほか、産学連携のコイノベーションネットワークを有しています。こうしたグローバルの幅広い技術知見に基づくコンサルティングが当社の特徴であり強みです。
──インドと協業したプロジェクト事例には、どのようなものがありますか。
大手ゼネコン企業へのDX支援事例があります。建設業界では、建設労働者の減少、低い労働生産性、労務時間規制への対応などさまざまな課題を抱えており、デジタル化による抜本的な労働環境改善と生産性向上が急務となっています。そのためデジタルを使って営業・設計から維持・保全までを変革・効率化する建築デジタルプラットフォームを構築したいというご相談をいただきました。 この案件では、要件定義等の上流工程から構築・運用の下流工程までインドのチームと協業してプロジェクトを進めています。現場モニタリングのデジタル化や、設計業務量の予測など次々生まれるデータ活用のアイデアだしと実装を継続的に支援することで長期にお付き合いが続いています。 当社のコンサルティングサービスはアイデアを机上の空論として終わらせるだけでなく、実装・本番運用へとスケールさせることを意識し、上流工程からアーキテクト、デザイナー、エンジニアなど国内外のさまざまなタレントを巻き込み「One TCS」でご支援しています。このような技術力に裏打ちされた地に足の着いたアドバイザリーサービスを提供できる点をお客様に評価いただいています。
多彩なメンバーを率いるリーダーシップが磨かれる環境
──森さんは、コンサルティング会社のパートナーとして金融機関向けのDX戦略支援などのご経験を経て2022年に参画されています。入社背景や日本TCSの魅力についてお聞かせください。
私の入社の背景には、「ITを通じて、日本企業のグローバルでの競争力を向上させたい」という思いがありました。日本企業が世界を目指すうえで、経営におけるIT活用は必要不可欠だと考えています。グローバルでは企業のビジネス部門が自らの変革にどのようにIT技術を活用するか考え、IT部門が最適なソリューションを提案し、必要に応じてITベンダーのサービスを活用しながらシステムを構築・運用しています。一方、日本ではその多くのIT業務を外部コンサルタントやITベンダーに任せる状況が長く続いてきました。
日本企業がITを活用して世界で競争力を高めるためには、これまで続いてきた「お任せ」のITオペレーティングモデルをグローバルスタンダードに合わせる必要があると考えています。理想は「外部業者ではなくユーザ企業自らがDX推進の担い手としてIT活用に対してオーナーシップを持つ姿」です。当社はこのあるべき「発注者と受託者間の関係性」にならい、受託した業務の重要なコントロールポイントは全て可視化してお客様の手の内にあるようなご提案をしています。TCSをパートナーとして選んでいただくと自然とお客様の発注者としての能力・内製化力が高まっていくのはこれが理由です。 こうした新しいモデルへの移行は短期的には痛みを伴いますが、自社のDX推進力・IT発注力の低さに直面して危機感を覚えるお客様、特にCxOレベルの方々にご理解をいただき、ご指名いただくことが非常に多いです。先に挙げたゼネコンのお客様は、まさに「5年後の業界変化を見据えて変わっていきたい思いで、日本TCSをパートナーとして選んでくださっています。
──企業がDX推進の自走力をつけていくことを大切にされているのですね。
日本TCSの経営ビジョンの一つに、「Gateway to globalization──業種やビジネスの拠点を問わず、競争力を高めるパートナー」があります。日本本来の良さを生かしながらも、欧米の合理的なやり方を持ち込み、テクノロジー主導による変革を後押しすることによってお客様自身の競争力を高めていくことが私たちの使命の一つだと考えています。そういう意味で、C&SI統括本部の業務は、チェンジマネジメント的な要素も内包しているので、日本のIT業界そのものやIT活用の在り方に問題意識を持っている方にはぜひ応募していただき、一緒に日本企業を変えていきたいと思っています。
──C&SI統括本部が求める人物像について教えてください。
コンサルティング企業などでITコンサルタントのご経験がある方に加えて、金融や小売りなどの業界ナレッジを有する方、サイバーセキュリティやデータ活用などの特定の技術分野の深い専門知識がある方に応募していただきたいです。 また、大切にしている要素は大きく5つあります。お客様・社内のさまざまなステークホルダーをまとめる「リーダーシップ」、知識をお客様にとってのバリューに変換できる「ビジネスアーキテクチャー力」、そして「特定テクノロジー分野の専門性」「ダイバーシティへの適応力」「コミュニケーション能力」です。C&SI統括本部はお客さまの課題に応じて多様なサービスラインを組み合わせて解決策を提案・実行していくので、こうした要素を伸ばしていきたい方ですと、きっとご活躍いただけるはずです。
──最後に、この記事をご覧の方にメッセージをお願いします。
日本TCSには、30カ国超の国籍の約3500人の社員が集まり、そのうち900人はインドからの駐在社員、残りの2600人の日本TCSで採用した社員のおよそ20%は日本国籍以外のメンバーです。そのなかで自分の意見も発信しながら、さまざまなバックグラウンドを持つメンバーを引っ張っていかなければならないので、多様化された環境のなかでリーダーシップを発揮する能力は格段に高まります。 日本TCSは2024年7月に設立10年を迎え、さらに大きく会社を成長させていくところです。共に成長し、「日本企業のIT活用を通じてビジネス成長を後押ししたい」という思いに共感してくださる方の応募をお待ちしています。
出典:ビズリーチ 公募ページ「日本タタ・コンサルタンシー・サービシズ株式会社」
(2023年12月21日公開)より転載