日産自動車株式会社
Electronics Development Group , 神山 裕様
※掲載内容は2014年10月時点のものです。
日産自動車がTCSと仕事を共にするようになってから9年以上になります。
当初エンジニア5人のシミュレーションモデル開発と車両CADデータ作成チームから始まりましたが、現在ではカーエレクトロニクスとカーエンジニアリングの様々な分野で貢献していただいています。
TCSは解析システム、ビッグデータ、ビジネスインテリジェンス分野での経験、ノウハウを生かし弊社の分析システムを構築してくれました。日産とTCSは共同で、自動で組み込みコード分析ができるツール”TCS ECA”を開発しました。このツールは商品開発サイクルの早い段階で不具合を発見することができ、効率的かつ積極的に市場品質を高めることができました。
TCSにリーダーシップをとってもらい、弊社専用に開発した診断システム「Consult Ⅲ PLUS」は弊社の全世界の販売店で日々使われております。最近では、この診断システムは市場にある車両からデータを収集し、弊社のデータサーバに送ることができるよう機能拡張され、車両品質向上のために弊社開発部門でも活用されています。このように最近では、車両診断関連のビッグデータ分析を行う解析システムの分野でもTCSに貢献していただいております。ビッグデータを扱う技術、一般ソフトや独自開発した内製ツールを効率よく使い分けて品質の高いサポートを提供してくれました。このシステム開発において、TCSは弊社開発部門やIT部門と一丸となりコミュニケーションロスなく要求を明確にすることにより、弊社が期待した通りのものを効率よく開発していただきました。最後の最後に発生した変更もプロジェクト日程に影響を出すことなく、要求した通りに収めてもらいました。
自動車のR&Dにとって時間と品質は最重要であります。TCSは要望通りの納期で品質と性能に関する自動車研究開発プロジェクトに必要な厳しい要求に対応してくれました。自動化の手法や経験をいかし、フル-ガルエンジニアリングを行うことが、このようなシステムが成功する為のキーであると言えます。
分析システムの開発においては、弊社の既存の資産であるインフラやソフトウェアを流用し最適化してもらえたことで、システム構成がシンプルになり、保守担当者への教育時間も節約できました。本システムは一日当たり6000台以上の車両データを解析し、有用な情報を提供することで次期生産モデルの設計や開発の早い段階でフィードバックさせることを可能にしています。また、オンライン展開することで世界中の日産の海外事業所の約600人のエンジニアが市場で使われている車両の実際の状況をリアルタイムで把握することが可能になっています。
TCSは既存と新たなアプローチを織り交ぜたテクニカルソリューションでリーダーシップを発揮してくれました。車両診断を理解することにより、分析システムや将来性のあるアウトプットを多岐にわたってソリューション提案いただきました。TCSは分析システムの要件定義やアーキテクチャをシンプルなアプローチで有限な予算とインフラを駆使してサポートしてくれました。将来の拡張性を考慮に入れた上で、弊社の既存インフラ資産を活用したソリューションを提供していただきました。
ここでTCSの特長を3つお伝えすると
TCSの文化の良さは、とてもオープンで能動的、協力的でとても透明性があり弊社のプロセスを生かし全てにおいてTCS独自の蓄積された知識と経験を活用できる所で、R&Dソリューションプロバイダーとして必要な要素を持ち合わせています。
最後にお伝えしたいのは、日産とTCSは現在Win-Winの関係にあるという事です。今日、自動車業界は技術の進歩がとても速く、日進月歩でありますが、TCSは日産が必要としている全てを提供してくれるソリューションプロバイダーだと信じています。