TCSとエブリイ・デニソン、VRとデジタルツインで没入型の体験を創造
RFIDインレイメーカーの子会社・スマートラックに新たなデジタル戦略を導入
概略
成長のためのイノベーション
米国の製造大手エブリイ・デニソンは、タタ・コンサルタンシー・サービシズ(TCS)と協力し、RFIDインレイの開発を手がける子会社、スマートトラック社の新たなデジタル戦略の策定に取り組んでいます。TCSは15年以上にわたるエブリイ・デニソンのテクノロジーパートナーです。
エブリイ・デニソンのスマートラック部門は、高い販売成約率と販売サイクルの短縮を通じて収益を倍増させる計画を立てています。そして、B2Bの分野における営業支援のチャネルを開拓し、信頼されるパートナーとなることを目指しています。TCSは、スマートラックのリーダーシップチーム15名を含むエブリイ・デニソンのチームと共に、2022年9月にアムステルダムのTCS Pace Port™で3日間のワークショップを実施し、新しいイノベーションの機会を探りました。
ワークショップでは、販売の促進とビジネス成長を加速するために、エコシステムの統合、プラットフォームの集約化、データの商業化といったさまざまなデジタルチャネルの導入を図りました。さらに、チームはマクロ経済の状況やサプライチェーンの不確実性を踏まえ、サプライチェーンの最適化とモデリングに向けて現状を評価し、RFID製品の性能向上を図るデジタルツインのシミュレーションについても検討を重ねました。
没入型体験の提供を目指して
3日間の革新的なワークショップの最初のステップでエブリイ・デニソンとTCSは、エブリイ・デニソンのiLABで顧客に没入型体験を提供することをコンセプトとしました。具体的にはは、スマートラックの製品ラインナップ—ハードタグ、RFIDサステナブルタグ、センサー、コネクテッドプロダクトクラウドを活用した、店舗棚管理のデモンストレーションを利用者向けに行いました。この取り組みでは、TCSのPaceフレームワークを活用することで、概念実証(PoC)を迅速に推進することができました。
顧客に高い没入感とパーソナルな体験を提供するために、VRがコンセプトの構築手段に選ばれ、プロトタイプを用いた初のデモンストレーションが開催されました。その狙いは、VRとメタバースを活用して、顧客にエブリイ・デニソンの製品ラインをより深く理解し、興味をもってもらうことでした。
デジタル化がわたしたちのビジネスに大きな価値をもたらす可能性があると強く信じています。世界の各地に拠点を持つPace™イノベーションチームは、その知見とネットワークを大いに活用して我々を支援してくれました。
TCS Pace Port アムステルダムで変革を加速
エブリイ・デニソンの経営陣はTCS Pace Port アムステルダムを訪れ、TCSの広範囲にわたるイノベーションのケイパビリティを目の当たりにしました。TCSのPace Portは、企業の変革を加速し、そのスケールとスピードで大きな成果を生み出すための革新的なアイデアを形にするイノベーションハブです。
TCS Pace Port アムステルダムは、新しいアイデアを自由に探求するための「グリーンフィールド」として機能し、顧客はビジネスニーズの把握、充足に集中して取り組むことができます。このイノベーションハブでは、TCS Pace™ スプリントプログラムを用いて顧客が効率的に学習でき、投資リスクを最小限に抑えるサポートを行います。
アイデアの創出が成果につながる
イノベーションワークショップ では、TCSのイノベーションチームは、エブリイ・デニソンの ビジネス成長を促進する手段や新しいアイデアの考案に向けて理解を深めました。このセッションでは、透明性の高い事業運営、遅延を予測する方法、代替供給源の活用や効率的な倉庫管理について意見交換を行いました。
両社の経営陣は、エブリイ・デニソンのイノベーションと変革を共に推進することで合意しました。TCS Paceが提供するデジタルサプライチェーンソリューション、デジタル技術の研究開発、そしてラボの運営に関する知識が、エブリイ・デニソンの成長戦略の実現に貢献します。
このコラボレーションは、TCSがスマートラックとDICE(エブリイ・デニソンのデジタルイノベーションセクター)とパートナーシップを組み、新たな価値を定義し、戦略を練り、2社の成長目標を達成するための新しいアプローチを開発することから始まりました。
TCS Paceとの共同イノベーションにおけるわたしたちのビジョンは、パートナーシップのもとで従業員が一丸となり 、エブリイ・デニソンの社内でイノベーションの文化をさらに浸透させることです。