TCS Innovation Forum Japan 2020
Growth & Transformation for the New Beginning
第一回のテーマは「Growth & Transformation for the New Beginning(新しい始まりに向けた成長と変革)」です。
新型コロナウイルスの脅威が続く中、各国・地域や市場においては部分的な制約のもと、ビジネスが再開されています。一方、企業、個人ともに、かつてない不確実性の時代にあっても、これまで存在しなかったビジネスチャンスや新しい価値観も生まれています。この新たな世界に向けて、革新的な技術や考え方がいかにして有効となるのか。産学界のリーダーとともにアイデアを共有させていただきました。
日本タタ・コンサルタンシー・サービシズ株式会社
代表取締役社長
垣原 弘道
タタコンサルタンシーサービシズ
エグゼクティブ・バイスプレジデント CTO
K. アナンス・クリシュナン
東京大学 総長
五神 真 様
日本タタ・コンサルタンシー・サービシズ株式会社
専務・チーフデジタルイノベーションオフィサー、チーフテクノロジーオフィサー
中村 哲也
(社名・役職は2020年11月時点のものです)
日本TCSの垣原からのご挨拶を皮切りに、登壇者の皆様のセッションにて、成長と変革に必要なマインドやアクションについて具体例を交えながらご説明をいただきました。
垣原のご挨拶で紹介したTCS CEOのラジェシュ・ゴピナタンのスピーチでは、この未曽有の混乱の中、「組織を結び付けているのは単なる物理的な状況だけではなく、価値観や目的」であることが浮き彫りになり、「テクノロジーが従業員とパートナーのシームレスな取り組みを可能にし、組織の状況と目的が物理的な境界を超えられるようにすること」が重要であるとしました。
このパンデミックを乗り越えるための一要素であるテクノロジーの視点で、TCSのアナンス・クリシュナンは、私たちが優先すべき技術分野は新型コロナウイルスなどによる世の中の動きに応じて変化しており、予測や拡張性を備えたイノベーション創出プロセスで急速な環境変化に対応していく必要があると述べました。
東京大学の五神 真様からは、ポストコロナにおけるインクルーシブでサステナブルな社会の実現に向けて、デジタル技術活用によるスマート化や、物理空間とサイバー空間が融合する中で、両者をすべての人にとっての共有地「グローバル・コモンズ」として一体的に捉えて整備することが大変重要であるとの力強いメッセージをいただきました。さらに、ソーシャルボンドを発行して社会変革の実現を主導する東京大学の取り組みを通じて、よりよい社会を生み出す駆動力としての大学の意気込みを語っていただきました。
最後に日本TCSの中村が、本セッションの全講演を改めて振り返りました。
企業にとって重要なのは、「目的志向を持ち、その適応力を強化し、様々な新しいテクノロジーを活用してスマート化を行う。それをアジャイルな形で様々なエコシステムパートナーと連携し、新しいビジネスチャンスや価値観を生みだしていく」こととまとめました。この学びをもとに、日本企業の取るべきアクションは「エンゲージコアパートナー」であるとご提案しました。すなわち、「会社の存在意義をもう一度見直して、その方向性に合ったことを、信頼できるテクノロジーパートナーとがっぷり四つに組んでまずは始めてみる」ことであり、これが重要であると締めくくりました。