TCS Innovation Forum Japan 2020
Legacy Modernization Transformation to a Digital Enterprise
第四回のテーマは「Legacy Modernization - Transformation to a Digital Enterprise (レガシーモダナイゼーション - デジタルエンタープライズへの変革)」です。
デジタル企業に変貌する組織は、最初にレガシーモダナイゼーションへの道のりを歩みます。経済産業省による「DXレポート ~IT システム『2025 年の崖』の克服と DX の本格的な展開~」では、デジタルトランスフォーメーションに向けた重要な要素の1つであるレガシーシステム刷新に取り組むことを強調しています。第四回目のセッションでは、経済産業省の推奨事項を解説しながら、レガシーモダナイゼーションの将来の側面とビジネスルールのデジタル化についてご紹介させていただきました。
日本タタ・コンサルタンシー・サービシズ株式会社
インダストリーデリバリー第一統括本部 統括本部長
江本 尚宏
日本ティーマックスソフト株式会社
代表取締役社長
早水 光祥 様
日本タタ・コンサルタンシー・サービシズ株式会社
デジタルトランスフォーメーションサービス統括本部
テクノロジーエクセレンスグループ チーフアーキテクト
中原 廷
日本タタ・コンサルタンシー・サービシズ株式会社
江本 尚宏
(社名・役職は2021年1月時点のものです)
第四回は、日本TCS 江本の「レガシーモダナイゼーションはデジタル企業への変革における最初のステップ」というメッセージから始まりました。レガシーシステムを使い続けていることが最新技術、予算、柔軟性などの確保やデータ活用の足かせとなっており、このモダナイゼーションがDXや新たな事業創出に向けた必須項目であるとしました。さらに、経済産業省の「DXレポート ~ITシステム『2025年の崖』克服とDXの本格的な展開」を参照しながら、TCSが考えるDX予算確保のための7つの対応策、DXへのアプローチやレガシーモダナイゼーションの実施方法などをご紹介いたしました。
日本ティーマックスソフト株式会社の早水様からは、日本企業におけるレガシーシステムからの脱却が進まない現状とリスク、そしてレガシー脱却に向けた3つの手法――リホスティング、リライト、リビルド――を解説頂きました。改めて「2025年の崖」に対する警鐘を鳴らすとともに、「脱レガシー」に向けて、経営層の強いリーダーシップのもと、「包括的」かつ「大胆な攻めの戦略」を実行していくことが不可欠である、という力強いメッセージを頂きました。
続いて、日本TCSの中原は、レガシーモダナイゼーションを実現する技術――リバースエンジニアリング、フォワードエンジニアリング――の解説と、TCSが考える未来を共有させていただきました。その中では、AIなどの高度な技術によりITルールとビジネスルールをソースコードやドキュメントから自動で抽出するデモもご覧いただきながら、更に高度に自動化・機械化されたレガシーモダナイゼーションの実現に向けたTCSの意気込みをお伝えしました。
最後に日本TCSの江本が本セッションのまとめとして、企業におけるデジタルトランスフォーメーションの実現や人材育成には少なくとも5年程度かかると考えられている中、2025年の崖に向けて対応を本格化させるためには「今がラストチャンスのタイミング」と締めくくりました。