これまでの情報通信技術 ( 以下 ICT) は、既存の事業や業務を効率化するためのツールでした。しかし、IoT や AI など昨今の先端技術の急激な進展は、既存の産業構造さえも変える力を持っています。この影響力の大きさから、これらのテクノロジーやイノベーションは、従来の ICT と区別し「デジタル化 (Digitization)」あるいは「デジタライゼーション (Digitalization)」と呼ばれ、企業の経営環境に急激かつ多大な変化をもたらしています。これに対応するために、企業はデジタル技術を積極的に活用し、新しいビジネスモデルへの変革 ( デジタルトランスフォーメーション ) を推し進めなければなりません。
デジタライゼーションによる産業構造や社会の大きな変化が「第4次産業革命」と呼ばれる今日、タタコンサルタンシーサービシズ(TCS)は、この産業革命によって出現しつつある企業活動の新しいパラダイムを「Business 4.0™」と定義し、企業は従来の考え方や行動を大きく変えるべきであると提唱しています。
Business 4.0 のパラダイムでは、企業は一人一人の顧客との関係性を強化するとともに顧客の期待を正確に把握し、それに応えるカスタマーセグメンテーションを実現。最高品質の製品や一流のサービス、あるいは迅速な配送体制といった卓越した価値を提供する能力によって、優れた企業価値を創造するのです。これらの価値の提供は、自社内に閉じた環境ではなく、エコシステムによってこそ実現されるものであり、リスクや試行錯誤を受容する開拓者としてのマインドも求められるでしょう。