Message from CEO
代表メッセージ
日本語 | English
当社は今年で発足から10年が経ち、次の10年に踏み出しました。
これもひとえに、私たちを信頼し、共に歩んでくださるお客さまのおかげに他なりません。日頃のご愛顧とご支援に心より感謝申し上げます。
また、常に最善を尽くしてくれる社員、惜しみない支援をしてくださるビジネスパートナー様、そして、日本TCSを作り、育ててくれた歴代の経営陣や仲間にも、感謝の意を表します。
そして、合弁パートナーでありTCSに多大なる信頼と支援を寄せてくださっている三菱商事とは、末永くパートナーシップを継続し、同社の成功に最善を尽くしてまいります。
今、世界は3つの分野で大きな転換期を迎えています。1つ目は、気候に影響を及ぼすエネルギー源から、持続可能なエネルギーへの移行です。2つ目は、新型コロナウイルスによる、サプライチェーンの再編です。3つ目は、二極化の世界から多極化の世界への移行です。
日本においては、これらに加え対処しなければならない人的資源とテクノロジーに関する特有の課題があります。
まず人的資源の1つ目は、少子高齢化とこれに伴うインフラの整備およびコストです。2つ目は、日本のすべての企業が直面している生産性の向上と労働力の確保です。
これら課題の解決において、ITは中心的な役割を果たします。中でもAIは、日本のCEOの優先事項である生産性と作業効率の向上にとって、極めて重要かつ不可欠な技術です。
次にテクノロジーの1つ目は、レガシーシステムです。運用者の高齢化による維持と事業継続に対するリスクや、新技術採用の足かせとなっています。2つ目は、既存システムが古い技術の上で稼働していることです。システムやデータがサイロ化し、データ基盤の整備ができず、データドリブンな経営の実現を妨げています。
欧米の先行事例を見るにつけ、テクノロジーは企業を世界で戦えるようにしてくれる重要なパートナーであることがわかります。
日本TCSは、日本のお客さまのビジネス変革をテクノロジーで実現するために、皆さまの“Gateway to Globalization”“Catalyst for Technology-led Business Innovation”になることを使命としています。
TCSの強みは、先端技術の知見とグローバルでの先行事例、および55カ国に展開する豊富な人材と拠点を持つことです。お客さまのビジネスと変革の拡大に応えるスキルとケイパビリティを世界中に提供します。
その上で私たちは、日本固有のビジネス・IT環境とそこに起因する課題を深く理解したオンサイトのプロフェッショナルと、TCSがグローバルで培った豊富な知見を引き出すオフショアのプロフェッショナルが協働するハイブリッドデリバリーモデルでお客さまをご支援しています。
世界中の大手企業と培った経験を、日本のお客さまのビジネス展開と変革の道のりに即し、最適かつ効率的にお届けします。
そのために、人材育成においては、お客さまが期待する役割と一致させることに重点を置いています。ソフトウェアでさまざまなものがつながる世界において価値を提供するには、一人が1つのスキルだけでなく複合的な能力を持つ必要があり、その育成を進めています。
また、お客さまの期待に応えるには、日本単独ではなく、インドのスケールとスキルとのコラボレーションが必須です。日本人社員に対しては、“Gurukul”(グルクル)というOJTプログラムを用意しています。インド・JDC(Japan-centric Delivery Center:日本企業専用デリバリーセンター)の実際のプロジェクトにアサインし、最長6か月間、インドで現地のメンバーと働くことを通じて、技術的な知識だけでなく、多様な環境でのコラボレーションをも身につけるものです。インドの社員に対しても、日本の商習慣、文化、言語を学ぶ多くのプログラムを実施しています。
さらに、枯渇するSTEM人材を育てるため、TCSが世界各地で実施している教師と学生向け支援プログラム“Ignite My Future”をもとに、文系専攻などの社員をソフトウェアエンジニアに育てる仕組みの整備も進めています。
TCSは、インドの他のIT企業に先駆けて日本市場に参入し35年以上、日本のお客さまにコミットしてきました。日本とインドは、テクノロジー、人材、ビジネスなど、お互いの強みで求めるものを補完しあえる関係です。これも背景に、合弁会社として日本TCSが歩んできたこの10年で、日本のお客さまに価値を提供する国内外の仕組みは強固なものになりました。
そして、お客さまとの長期的なパートナーシップの構築には、多くの会話と時間を通じて、お互いを理解、信頼し合うことが何より大切です。
私自身がこれを先導し、皆さまとのつながりをより深めることで、この先の10年、20年がお客さまと私たちにとって、これまで以上に充実したものにできると確信しています。
私たちは、お客さまの成長と変革に向かうジャーニーに、TCSの“ベスト”をもたらし続けることをお約束します。
日本タタ・コンサルタンシー・サービシズ株式会社
代表取締役社長
サティシュ ティアガラジャン