TCS、第3四半期に好調を記録:
クラウドの需要と市場シェアの拡大で売上高が70億ドルを突破
- 第3四半期の売上高は前年同期比で13.5%増、通常硬貨ベースでは米ドルで8.4%増
- 北米および英国が通常硬貨ベース、前年同期比で15.4%増を記録し、成長を牽引
- 営業利益率は24.5%、純利益率18.6%は
- ITサービス部門の離職率は低下傾向にあり、21.3%LTMを記録
- 取締役会は、一株当たり67ルピーの特別配当を含む計75ルピーの配当額を発表
* 本プレスリリースの日本語和訳では、会計年度表示を本社(インド)に合わせた表記としています。 (例:2023年3月31日を末とする会計年度は「2023年度」となります)
このページは2023年1月9日(現地時間)、インド・ムンバイで発表されたプレスリリースの和訳です。発表内容の詳細は原文をご覧下さい。
▶ 原文は こちら
ムンバイ、2023年1月9日: ITサービス、コンサルティング、ビジネスソリューション企業であるタタコンサルタンシーサービシズ(TCS)は、Ind AS(インド会計基準)およびIFRS(国際財務報告基準)に基づき、2022年12月31日を末日とする四半期の連結決算を発表しました。
2022年12月31日を末日とする四半期の業績ハイライト
- 売上高: 70億7,500万ドル、前年同期比で8.4%増、通常硬貨ベースの前年同期比で13.5%増
- 受注額: 78億ドル、出荷額に対する受注額の割合は1.1
- 営業利益率: 24.5%、前年同期比で0.5%減
- 純利益: 13億1,800万ドル、前年同期比で1.1%増、純利益率:18.6%
- フリーキャッシュフロー: 13億5,400万ドル、純利益の102.8%
- 従業員数: 2,197人純減、総従業員数: 61万3,974人
- 多様かつインクルーシブな職場環境: 女性従業員比率35.7%、出身国153か国
- 成長と変革のための人材育成施策: 学習時間は1,140万時間、130万の専門スキルを獲得
- ITサービス部門の離職率:21.3%LTM
- 一株当たり配当額:特別配当の67ルピーを含む、計75ルピー
(基準日は2022年1月17日、支払日は2023年2月3日)
- 今年度、これまでに3,329億7千ルピーを配当として株主に還元
TCS CEO(最高経営責任者) 兼 マネージングディレクターのラジェシュ・ゴピナタン(Rajesh Gopinathan)は、次のように述べています。
「時期的に低調な四半期であったにもかかわらず、クラウドサービスやベンダー統合が好調で市場シェアを拡大できたことと、北米および英国における継続的な好調に支えられ、力強い成長を達成できたことを喜ばしく思います。TCSのサービスに対する継続的な高い需要は、当社が提供する価値が、お客さまの差別化と競争力強化に寄与している証といえるでしょう。不確実な時代であるにもかかわらず、私たちの長期的な成長の見通しは引き続き良好です」
TCS COO(最高業務執行責任者) 兼 エグゼクティブディレクターのN.ガナパシー・スブラマニアム(N Ganapathy Subramaniam)は、次のように述べています。
「2022年を振り返って、世界中のお客さまと特別なパートナーシップを保ち続けていることを嬉しく思っています。ハイブリッドな業務モデルで、それぞれのお客さまのエコシステム固有のニーズに合わせた複雑な変革プログラムを、スピードと俊敏性をもって数多く提供しました。また、デリバリーセンターやPace Portのラボで、コンサルタントとお客さまの経営層が協力し、未来を実現するためのソリューションを再構築している様子を目の当たりにして、心を新たにしています。2023年の始まりにあたり、こうしたこと全てが私たちの未来に大きな方向性を与えています」
TCS CFO(最高財務責任者)のサミール・セクサリア(Samir Seksaria)は、次のように述べています。
「生産性の向上、為替相場の後押し、供給サイドの課題軽減により、当四半期の営業利益率は向上しました。これは、TCSの成長と市場シェア拡大につながるような、新たなケイパビリティの構築に投資し、収益性を望ましい形で実現しようとする私たちに自信を与えてくれるものです」
TCS CHRO(最高人事責任者)のミリンド・ラカド(Milind Lakkad)は、次のように述べています。
「この数四半期を通して、新入社員を多く迎え入れ、新しい技術を習得させ、生産性を向上させることに注力してきましたが、その成果が表れています。特に、平均勤続年数10年以上のミドル・シニア層のTCS社員が12万5,000人いることは、私たちの誇りです。彼らは、ここ数年に入社したすべての新入社員が企業文化に馴染むのに寄与してきた中心的存在であり、彼らの文脈的知識*と顧客中心のアプローチは、TCSが誇る高い顧客満足度の鍵でもあります」
*contextual knowledge(コンテクスチュアルナレッジ) : お客さまが置かれた様々な状況において適用すべき最適な知見 。
第3四半期の部門別ハイライト**
**恒常通貨ベースの成長、前四半期比
産業分野別: 小売・消費財(18.7%増)、ライフサイエンス・ヘルスケア(14.4%増)、通信メディア(13.5%増)、テクノロジー・サービス(13.6%増)が成長を牽引しました。製造(12.5%増)、銀行・金融・保険(11.1%増)も伸長しました。
市場別: 主要市場のうち、北米と英国(15.4%増)が成長を牽引し、欧州(9.7%増)も成長しました。新興市場では、ラテンアメリカ(14.6%増)、インド(9.1%増)、アジア太平洋(9.5%増)、中東・アフリカ(8.6%増)が成長しました。
サービス分野別: 第3四半期はクラウド、サイバーセキュリティ、コンサルティングサービス、エンタープライズアプリケーションサービスが成長を牽引しました。
- コンサルティング&サービスインテグレーション: 次世代ERPの変革、サプライチェーン、クラウド戦略など、戦略的な成長と変革を焦点としたコンサルティングサービスに高い需要が見られました。
- クラウドプラットフォームサービス: TCS のクラウド部門は、クラウドへの移行やモダナイゼーション、ハイブリッドクラウドの導入、マネージドサービス、ガバナンスといったサービスに牽引され、引き続き非常に高い成長を遂げました。
- デジタルトランスフォーメーションサービス: 第3四半期の成長は、Salesforce、SAP、および人材管理、サプライチェーンやCRM、マネージドセキュリティサービス、企業脆弱性管理などのニッチなSaaSプラットフォームサービスに関する製品が牽引しました。販売やサービスチャネルにおける体験の向上、従業員エンゲージメントの改善、より優れたビジネスインサイトの獲得を目的としたSaaSの導入が増加しました。TCS Crystallus™を活用したTCSのサービスが、業界を革新し、企業全体にビジネス価値を提供しています。サイバーセキュリティでは、「多層防護」のセキュリティアーキテクチャやプロセスの高度化と自動化、およびアタックサーフェスの管理と自動化により脅威に機動的に対応すべく、お客さまはTCSと契約しています。これはサイバー監査やアセスメント、脅威インテリジェンス、デジタルID管理などのサポートを目的としています。
- コグニティブビジネスオペレーション: 当四半期は、TCSのビジネスサービスに対する高い需要を反映して、複数の大型案件を中心に好調に契約を締結しました。Cognix™を活用した統合的で次世代型のMFDM™を中心としたオペレーションサービスが、引き続き堅調に推移しています。最適化、コ・イノベーション、インテリジェントな分析による迅速な意思決定、より優れたユーザーエクスペリエンスを実現するために、ベンダーを統合し、機能横断的にマネージドサービスを提供しようとする動きがお客さまの間で見られるようになっています。当四半期の成長は、サプライチェーン、財務・会計、デジタル・ワークプレイスサービスが牽引しました。
主な契約案件
- AGLは、オーストラリア最大のエネルギー供給会社からマルチサービスの小売企業へと変貌しようとしており、新たなビジネス戦略の基盤となるRetail NextプログラムのパートナーとしてTCSを選定しました。このプログラムでは、CRM、製品カタログ、プロセスオートメーションのための新しい統合的なプラットフォームの構築を目指します。TCSは、サービスのバンドリングや小売業界向け顧客分析を含む業界横断的な専門性に加え、公益事業に関する深い知見を提供し、AGLが市場投入までのスピードを加速させ、消費者と代理店のエクスペリエンスを変革し、業務効率を向上できるよう支援します。
- 英国鉄道業界の会員制組織Rail Delivery Groupより、鉄道業界のデータマーケットプレイス構築のためのパートナーに選ばれました。TCSのDeXAMプラットフォームが持つデータシンジケーション、収益化、マーケットプレイスといった機能を、主要なハイパースケーラーのプラットフォーム上で活用し、断片化した鉄道に関するデータソースを一つのデジタルサービスに統合します。これにより、乗客や運行機関へのデータやリアルタイム情報の共有が最適化され、透明性の向上と、英国全体にわたる鉄道イノベーションのエコシステム構築に寄与します。
- TCSは、Marks & Spencerとのパートナーシップ契約を10年間延長し、同社のビジネス変革を引き続きサポートします。TCSは、Marks & Spencerの技術チームと協働し、クラウドファーストのアプローチとコンポーザブルなプラットフォーム戦略のもと、小売業の技術環境を簡素化し、主要ビジネスをモダナイズし、価値実現までの時間を短縮します。業界トップの豊かなエンジニア人材と実績を駆使し、活力にあふれたチーム構築と絶え間ないイノベーションを実現する文化を推進し、優れたカスタマーエクスペリエンスを提供できるよう支援します。
- 英国の固定電話および移動通信の大手事業者であるBTグループは、デジタル部門におけるモダナイゼーションの計画を推進するため、TCSと新たなパートナーシップを締結したことを発表しました。TCSは、デジタル部門が保有する70%以上のレガシーテクノロジーを管理・刷新し、新しい戦略的テクノロジーアーキテクチャを構築するためのケイパビリティを強化し、グループの成長をサポートします。
- 米国の大手バイオ製薬企業であるギリアド・サイエンシズより、薬事や患者の安全に関するビジネスプロセスマネジメントサービスをグローバルに提供するための長期的な戦略パートナーに選ばれました。これによりギリアド・サイエンシズは、開発パイプライン拡充のケイパビリティを大幅に向上させます。
リサーチ&イノベーション
2022年12月31日現在、TCSは当四半期に出願した212件を含め、7,134件の特許を出願中で、当期に取得した134件を含め、これまでに2,694件の権利を取得しています。
人材関連
2022年12月31日時点で、TCSの総従業員数は61万3,974人、従業員数は、当四半期に2,197人の純減となりました。前四半期までに蓄積された余剰分の活用に注力したことと、有機的な人材開発への投資により、生産性が向上しました。従業員は第3四半期に1,140万時間の学習時間を記録し、獲得した専門スキルは130万に達しました。
従業員は多様性に富み、出身地は153カ国にわたり、女性従業員比率は35.7%でした。
ITサービス部門の当四半期の離職率は21.3% LTMで、今後四半期ごとにより減少する見込みです。
受賞歴
ビジネスリーダーシップ関連
- 2022年版「Hurun Global 500」レポートにおいて、最も価値あるインド企業第2位にランクインしました。
- 「2022 Asia Matters Business Awards」の「Regional Asian Investor in Ireland(アイルランドに投資しているアジア企業)」部門で特別賞を受賞しました。
- 「ITSMA 2022 Marketing Excellence Awards」の「Collaborating with Sales(営業との連携)」部門でDigital Storeが金賞を受賞しました。
- 「Drum Award for B2B 2022」の「Most Effective Digital Transformation Initiative(最も効果的なデジタルトランスフォーメーションへの取り組み)」部門を受賞しました。
- Infineon Technologiesより、「2022 Best IT Supplier (2022年ベストITサプライヤー賞)」を受賞しました。
- 2022年「Burgundy Private Hurun India 500」リストで、「Largest CSR Spender(CSRに最も多く出資している企業)」部門で第2位にランクインしました。
イノベーションおよび知的財産関連
- Awarded the Asia IP Elite Award 2022 for being an Exemplar of IP Value
- 「Asia IP Elite Award 2022(2022年アジア知財エリート賞)」の「Exemplar of IP Value (知財の価値を提供している模範企業)」として表彰されました。
- Named the Top Indian Company for Creating Brand in India and Abroad and awarded the World Intellectual Property Organization’s (WIPO’s) Users Trophy at the National Intellectual Property Awards 2021 & 2022
- 「Top Indian Company for Creating Brand in India and Abroad(インド国内外でブランドを創出したインドのトップ企業)」に選ばれ、2021年および2022年の「National Intellectual Property Awards(全米知的財産アワード)」で、World Intellectual Property Organization(世界知的所有権機関:WIPO)よりUsers Trophy(ユーザートロフィー)を授与されました。
- Won ASSOCHAM IP Excellence Award for Best Intellectual Property (IP) Portfolio in the Large Enterprises category
- 「ASSOCHAM IP Excellence Award」の「Best Intellectual Property (IP) Portfolio(最優秀知的財産(IP)ポートフォリオ)」の大企業部門を受賞しました。
- TCSのDigital Farming Initiatives(デジタル農業への取り組み)が、「NASSCOM Enterprise Cloud Awards '22」の「Excellence in Leveraging Cloud for Sustainability(サステナビリティのためのクラウド活用優秀賞)」を受賞しました。
- TCS ADD™ Connected Clinical Trialsプラットフォームが、「India Pharma Award 2022」の「Excellence in Ancillary Pharma Services(製薬のアンシラリーサービス優秀賞)」を受賞しました。
- TCS Quartz™が、Asset Servicing Timesより、「Industry Excellence Awards」で「Outstanding Innovation of the Year(優秀イノベーションオブザイヤー賞)」を受賞しました。
- TCS OmniStore™とTCS Optumera™が、「International Business Awards 2022」の「AI/ML solution(AIおよび機械学習ソリューション)」部門で2つのスティービー(Stevie)を受賞しました。
- 2022年「Brandon Hall Group Excellence in Technology Awards」で2つの賞を受賞しました:「Best Advance in Business Strategy and Technology Innovation(ビジネス戦略および技術革新における最優秀賞(金賞))」と、「Best Advance in Learning Management Technology(学習管理テクノロジー優秀賞(銀賞))」です。
- CIO 100 Indiaより、「The Innovative 100(イノベータートップ100)」および「Mission Critical Master(ミッションクリティカルマスター)」賞を受賞
- 「Mint TechCircle Business Transformation Awards 2022」で、「Revenue Generation (Customer Experience)(収益創出:カスタマーエクスペリエンス)」部門を受賞しました。
- TCS Procurement 4.0が、「SAP Customer Award(SAP顧客アワード)」の「Best supplier collaboration story(ベストサプライヤーコラボレーションストーリー)」部門を受賞しました。
- Commvaultより、Digital Compliance(デジタルコンプライアンス)ソリューションが、「Customer Innovation Award(顧客イノベーションアワード)」で「Governance and compliance(ガバナンスおよびコンプライアンス)」部門を受賞しました。
パートナーシップ関連
- ポルトガルのリスボンで開催された「Hitachi Vantara GSI Summit 2022」で、「Transformation Partner of the Year Award(トランスフォーメーションパートナーオブザイヤー)」を受賞しました。
- 「SUSE India Innovation Hero Award 2022」で、「Kubernetes Innovators」部門を受賞しました。
- 「India 2022 AWS Partners of the Year Awards(2022年インドAWSパートナーオブザイヤーアワード)」で、「Enterprise Partner of the Year(エンタープライズパートナーオブザイヤー)」を受賞しました。
- 「2022 Regional and Global AWS Partners of the Year Awards(グローバル・リージョナルAWSパートナーアワード)」で、「Security Partner of the Year: APJ(セキュリティパートナーオブザイヤー:アジア太平洋および日本)」および「Migration Partner of the Year: APJ(マイグレーションパートナーオブザイヤー:アジア太平洋および日本)」に選ばれました。
- Nexthinkより、「Emerging Partner of the Year 2022(エマージングパートナーオブザイヤー)」を受賞しました。
- BMCより、「Partner of the Year 2022」の「Digital Business Automation(デジタルビジネスオートメーション」部門を受賞しました。
- 2021-22年度「Qlik Partner Excellence Award 」の「Most Deal Influencer SI Partner」部門を受賞しました。
- Nutanixより、「2022 Growth Global System Integrator Partner of the Year」を受賞しました。
- 「Microfocus Partner Leadership Summit 2022」で、「APJ Top Alliance Growth Partner of the Year(アジア太平洋および日本におけるトップアライアンスグロースパートナーオブザイヤー)」を受賞しました。
以上