TCS、堅調な受注と変革プロジェクトにより第1四半期を好調な業績で締めくくる
- 売上高:72億2,600万ドルを記録、前年同期比で6.6%増、通常硬貨ベースで7%増
- 英国(前年同期比で16.1%増)、ライフサイエンス&ヘルスケア(10.1%増)、製造(9.4%増)が成長を牽引
- 純利益:13億4,700万ドル、前年同期比10.6%増
- 受注額:102億ドル、出荷額に対する受注額の割合は1.4
* 本プレスリリースの日本語和訳では、会計年度表示を本社(インド)に合わせた表記としています。 (例:2024年3月31日を末とする会計年度は「2024年度」となります)
このページは、2023年7月12日(現地時間)、インド・ムンバイで発表されたプレスリリースの日本語訳です。発表内容の詳細は原文をご覧下さい。
▶ 原文は Earnings Reports をご覧ください。
ムンバイ、2023年7月12日: ITサービス、コンサルティング、ビジネスソリューション企業であるタタコンサルタンシーサービシズ(TCS)は、Ind AS(インド会計基準)およびIFRS(国際財務報告基準)に基づき、2023年6月30日を末日とする四半期の連結決算を発表しました。
2023年6月30日を末日とする四半期の業績ハイライト
- 売上高: 72億2,600万ドル、前年同期比6.6%増
- 通常硬貨ベースの売上成長率: 前年同期比7%増
- 営業利益率: 23.2%、前年同期比0.1%増
- 純利益: 13億4,700万ドル、前年同期比10.6%増、純利益率18.6%
- フリーキャッシュフロー: 13億8,300万ドル、純利益の102.5%
- 従業員純増数: 523人、総従業員数61万5,318人
- ダイバーシティ&インクルージョン: 女性従業員比率は35.8%、従業員の国籍構成は154カ国
- 成長と変革のための人材育成施策: 学習時間は1,270万時間を記録、130万の専門スキルを獲得
- ITサービス部門の離職率: 17.8% LTM
- 一株当たり配当額: 9.00ルピー(基準日は2023年7月20日、支払日は2023年8月7日)
TCS CEO(最高経営責任者) 兼 マネージングディレクターのクリティ・クリティヴァサン(Krithi Krithivasan)は、当四半期の事業を振り返り、次のように述べています。
「新年度を複数の大型案件の獲得でスタートできたことは、非常に喜ばしいことです。次々と現れる新たなテクノロジーに後押しされ、TCSのサービスに対する長期的な需要は引き続き良好です。私たちは、こうした新技術やリサーチ&イノベーションに関するケイパビリティーの拡大に早くから大きく投資することで、この機会を最大限に活かしています」
TCS COO(最高業務執行責任者)兼 エグゼクティブディレクターのN.ガナパシー・スブラマニアム(N. Ganapathy Subramaniam)は、次のように述べています。
「当四半期にTCS の製品とプラットフォームは、複数の変革プロジェクトの稼動により、大きなマイルストーンを達成しました。英国の生活設計・年金管理の分野では、デジタル保険プラットフォームで3件の新規契約を締結し、あらゆる指標においてこの市場のリーダーとして揺るぎない地位を確立しています。生成AIの分野でも際立ったケイパビリティを積極的に構築し、お客さまとのプロジェクトでも積極的に取り組み、テクノロジー、オペレーション、カスタマーエクスペリエンス(CX)の向上に大きな影響を与えています」
TCS CFO(最高財務責任者)のサミール・セクサリア(Samir Seksaria)は、次のように述べています。
「TCSは、4 月 1 日付けで年次昇給を実施しました。営業利益率 23.2%は、この昇給による 影響を200ベーシスポイント(2%)反映しましたが、効率性の向上により相殺されています。同時に、デリバリーや研究インフラの拡大など、今後の成長に必要な投資も継続して行っています」
TCS 人事部門グローバルヘッドのミリンド・ラカド(Milind Lakkad)は、次のように述べています。
「TCSは、業界最高水準の人材を育成・維持し、報い、オフィス勤務を復活させることによりそうした人材を有効に活用し、企業文化を醸成することに引き続き注力しています。また、オフィス勤務への回帰の取り組みの推進により、すでに従業員の53%が週に3日オフィスに出勤しています。最新の年次報酬見直しでは、成績優秀な従業員に12~15%の昇給を実施し、昇進制度も回りはじめました。TCSの従業員のAI、クラウド、データ、アナリティクスなどに関するスキルアップのための学習時間は、当四半期に1,270万時間を記録しました。離職率は引き続き低下傾向にあり、下半期には業界最高水準の長期的な就業を回復すると予想しています。出した内定の全てを尊重ししつつ、昨年築き上げたケイパビリティを活用することにも注力します」
当四半期の部門別ハイライト**
**恒常通貨ベースの成長
産業分野別: ライフサイエンス&ヘルスケア(10.1%増)が成長を牽引しました。製造(9.4%増)、銀行・金融・保険(3%増)、小売・消費財(5.3%増)、テクノロジーサービス(4.4%増)、コミュニケーション&メディア(0.5%増)も伸長しました。
市場別: 主要市場のうち、英国(16.1%増)が成長を牽引し、北米(4.6%増)、欧州(3.4%増)も伸長しました。新興市場では、中東・アフリカ(15.2%増)、インド(14%増)、ラテンアメリカ(13.5%増)、およびアジア太平洋(4.7%増)が成長しました。.
サービス分野別: お客さまは引き続き優先すべき取り組み事項の見直しに取り組んでおり、ビジネスクリティカルなプロジェクトや早期にROIを実現できるプロジェクトを重視しつつあります。コスト最適化、ベンダー統合、運用統合が優先度の高いテーマとなっています。 柔軟性やレジリエンス(強靭性・回復力)の強化、堅牢なITインフラの確立を目指し、従来に引き続き、変革への取り組みは加速しています。クラウドを活用したモダナイゼーション、サイバーセキュリティ、IoT、デジタルエンジニアリングが成長を牽引しました。
生産性の向上、コンテンツの作成、パーソナライズされた体験によるお客さまとのインタラクションの充実などに関して、生成AIのユースケースを検討するにあたり、TCSとの協働に対する関心があらゆる業界で広がっています。TCSは、独自の共創イノベーションのためのフレームワークを通じ、こうした最先端の取り組みをサポートしています。
生成AIのメリットを最大限に活用するためには、複数のポイントソリューションを導入するよりも、ビジネス、法務、リスクおよびコンプライアンス、リサーチ&イノベーションを網羅した企業全体の包括的な取り組みが最適であることから、TCSは、生成AIの全社的な導入に向けた包括的なビジョン、戦略、ビジネスケース、および計画の策定を支援するアドバイザリーサービスの提供も開始しました。
- コンサルティング&サービスインテグレーション(C&SI): お客さまは、eコマース、CX、デジタルワークプレイスおよびアナリティクス、有効性・観察可能性・カバレッジ向上のためのセキュリティ運用の変革、デザイン主導のイノベーション推進、CXおよび製造業の変革に焦点を当てたERPクラウドプラットフォームへの投資を継続しました。「TCS Crystallus™(クリスタラス)」は、こうした変革への道のりを加速し、価値実現までのスピードを促進するのに寄与しました。サイバーセキュリティサービスは、お客さまが次世代型SecOps*にTCS Cyber Defense(サイバーディフェンス)プラットフォームを採用したことにより伸長しました。TCS Interactive(インタラクティブ)は、リアルタイムのインサイトを活用したデジタルマーケティングやデジタルセールスを推進し、CXを向上させるデジタルコマースの取り組みを牽引しました。「TCS Clever Energy™(クレバーエナジー)」は、お客さまがネットゼロの計画を推進する中、引き続き高い関心を集めています。デジタルエンジニアリング分野では、TCSは引き続き新製品開発やEV充電インフラに関するお客さまの投資に関わっています。
*セキュオプス: セキュリティプロセスをDevOps**と同様もしくはそれに近い手法で自動化すること。**DevOps(デブオプス): 開発チーム(Development)と運用チーム(Operations)が協調して開発・運用するソフトウェアやシステムにより、ビジネス価値を高めるだけでなく、その価値を確実かつ迅速にエンドユーザーに届けること。
- クラウドプラットフォームサービス: お客さまは、ビジネス革新のための堅牢なクラウド基盤の構築に引き続き投資しています。クラウド移行、データのモダナイゼーション、アプリケーションのモダナイゼーションが、AIなどの新たなデジタル技術と相まって、引き続き成長を牽引しています。TCSの専門スキルの深化と新たなケイパビリティ構築への投資も好調な業績に寄与しています。TCSは、生成AIを含む複数の新たなテクノロジーサービスの立ち上げにおいて、ハイパースケーラーのローンチパートナーとなっています。TCSのハイパースケーラークラウドサービスプロバイダーの認定資格を持つ従業員は約14万8,000人で、これは業界トップクラスです。第1四半期には、Microsoftの「2023 Partner of the Year(パートナー オブ・ザ・イヤー)」アワードの5部門で受賞しました。
- コグニティブビジネスオペレーション(CBO): お客さまは従業員体験の向上、TCS独自の自動化フレームワーク「マシンファーストデリバリーモデル(MFDM™)」を活用したインフラ運用の変革、ベンダーの統合に注力しました。Cognix™(コグニクス)を活用した運用モデルの変革に対するお客さまの関心も引き続き非常に高くなっています。また、AIを活用したビジネスコマンドセンターを備えたTCSのIT運用統合モデルの導入に対する需要も高く、企業経営層に対し、スタックの運用全体に渡ってより高い可視性とレジリエンスを提供しています。
リサーチ&イノベーション
2023年6月30日現在、TCSは当四半期に出願した142件を含め、7,447件の特許を出願中で、これまでに当四半期に取得した126 件を含め、3,004件の権利を取得しています。
人材関連
6月30日時点で、TCSの総従業員数は61万5,318人、当四半期の従業員純増数は523人でした。従業員は多様性にも富み、出身地は154カ国にわたり、女性従業員比率は35.8%でした。
TCSは2023年4月1日付で、全従業員に対して年次昇給を実施しました。従業員のスキル向上への投資にも継続して注力しています。現在までに、10万3,000人の従業員が需要の高い専門スキルに関するトレーニングを受け、全体で1,270万時間の学習時間を記録し、獲得したスキルは130万に達しました。
ITサービスの従業員保持率は第1四半期に更に低下し、過去1年で17.8%を記録しました。
表彰歴
ビジネスリーダーシップ関連
- ビジネスワールド(Business World)誌の「Most Respected Companies(最も尊敬される企業)」調査で2位にランクインし、その高い評価が証明されました。
- インターブランド(Interbrand)社の「50 Most Valuable Indian Brands 2023(2023年最も価値あるインドのブランド50社)」で首位を獲得しました。
- フォーブス(Forbes)誌の世界大企業ランキング「The Global 2000」で387位にランクインしました。
- CEO's Association for Inclusive Indiaより、「Digital Financial Inclusion Solution(デジタルファイナンシャルインクルージョンソリューション)」部門で「Company of the Year(カンパニー オブ・ザ・イヤー)」アワードを受賞し、TCSのデジタルファイナンシャルインクルージョンへの貢献が評価されました。
- TCS CFO(最高財務責任者)のサミール・セクサリア(Samir Seksaria)が、「FE CFO Awards 2023」の「Large Enterprises - Services Sector(大企業-サービス)」部門で表彰されました。
- 従業員に配慮した方針と良好な職場環境が評価され、Business Today誌の「Top Company to work for in India(インドで最も働きたい会社)」に選ばれました。
- Points of Lightが毎年発表する、米国で地域社会に貢献するトップ企業を選出する権威あるリスト「The Civic 50」の2023年度受賞企業に選ばれました。TCSがこのリストに名を連ねるのは今回で7回目で、5年連続で「Information Technology Sector Leader(情報技術部門リーダー)」にも選出されました。
- BusinessWorld主催の第3回「Sustainable World Conclave(サステナブルワールドコンクラーベ)」で、「Top 10 Sustainable Companies(持続可能な企業トップ10)」にランクインしました。
イノベーションおよび知的財産関連
- 「HackerRank Innovator Awards 2023(2023年 HackerRankイノベーターアワード)」の「Innovators Hall of Fame(イノベーター殿堂)」部門で、ETHRWorldと共同でPlatinum(プラチナ)賞を受賞しました。
- TCSのNew York City Marathon App(ニューヨークシティマラソンアプリ)が、プロスポーツにおけるアクセシビリティ、公平性、インクルージョンを推進するライブストリーミング機能が評価され、「Webby People's Voice Award」を受賞しました。
- 「The Economic Times DataCon Awards 2023」の「Holistic Large Data Management(包括的な大規模データ管理)」部門を受賞しました。
- TCS Governance Visual Analytics Solution(ガバナンスビジュアルアナリティクスソリューション)が、「AI Breakthrough Award 2023(2023年 AIブレークスルーアワード)」の「Best BI Visualization Solution(ベストBIビジュアライゼーションソリューション)」部門を受賞しました。
- 「14th DataCenter Summit and Awards(第14回データセンターサミット)」で、「Award for Data Center Capacity Management(データセンターキャパシティマネジメント賞)」と「Award for Data Center Cost Management(データセンターコストマネジメント賞)」の2つの賞を受賞しました。
- 「Stevie Asia Pacific Awards 2023(2023年 スティービーアジア太平洋アワード)」において、ignio™(金賞)、TCS Data Privacy(金賞)、TCS HR Policy Hub(金賞)、TCS Travel Chatbot "Trawiz"(銅賞)の3つの金賞と1つの銅賞を受賞しました。
- 「Stevie American Business Awards 2023」(2023年 スティービー米国ビジネスアワード)において、TCS Marketing Data Hub(マーケティングデータハブ)が「Achievement in Product Innovation(製品イノベーションにおける功績)」部門で金賞を、TCS Compliance Management Solution(コンプライアンス管理ソリューション)が「Governance, Risk & Compliance Solution(ガバナンス、リスクおよびコンプライアンスソリューション)」部門で銅賞を受賞しました。
パートナーシップ関連
- Microsoftの「2023 Partner of the Year Awards」(2023年パートナーオブザイヤーアワード)イベントで5つの賞を受賞しました。グローバル部門では、「MVP Industry Solutions Global Systems Integrator (GSI)(MVPインダストリーソリューション・グローバルシステムインテグレーター)」賞を受賞しました。また、「2023 Microsoft US Partner of the Year(2023年米国マイクロソフトパートナー・オブ・ザ・イヤー)」の「Global Systems Integrator(グローバルシステムインテグレーター)」部門、「Industrials and Manufacturing(製造業界向け)」部門、「Dynamics 365 Sales and Markeging (Dynamics 365セールス&マーケティング)」部門で3つの賞を、 さらに、「Malaysia Customer Success Partner of the Year(マレーシア カスタマーサクセス パートナー・オブ・ザ・イヤー)」も受賞しています。
- 社会的影響力のある取り組みやイノベーションにより、長期的な影響力を創出し続けてきたことが評価され、「SAP Pinnacle Award 2023(2023年SAPピナクルアワード)」の「Social Impact(社会的インパクト)」部門を受賞しました。さらに、Versuni社のためのTCSの変革的な取り組みが、消費財業界を変革し、イノベーションの推進と顧客価値の向上に寄与したとして、Versuni社は「SAP Innovation Award 2023(SAPイノベーションアワード)」の「Industry Leader(業界のリーダー)」部門を受賞しました。
- 米国・ラスベガスで開催された「Dell Tech World 2023(2023年Dellテックワールド)」において、「Global award Innovator Partner of the Year(グローバルイノベーター パートナー・オブ・ザ・イヤー)」を受賞しました。
- Pegasystems(ペガシステムズ)より、銀行業界のお客さまの顧客審査部門を変革し、金融サービスにおける卓越性を証明したとして、「Industry Excellence(業界最優秀)」賞を受賞しました。
- Equinix(エクイニクス)より、欧州・中東・アフリカ地域の業績トップのパートナーとして、当地域の「Partner of the Year(パートナー・オブ・ザ・イヤー)」を受賞しました。
- Qlik Technologies(クリックテクノロジーズ)より、2022年「Global System Integrator Partner Innovation(グローバルシステムインテグレーターパートナーイノベーション)」アワードを受賞しました。
以上