TCS、堅調な業績で第2四半期を締めくくり、
多様なポートフォリオのレジリエンス(回復力)を示す
このページは、2024年10月10日(現地時間)、インド・ムンバイで発表されたプレスリリースの日本語訳です。発表内容の詳細は原文をご覧下さい。
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ムンバイ、2024年10月10日: ITサービス、コンサルティング、ビジネスソリューション企業であるタタコンサルタンシーサービシズ(TCS)は、Ind AS(インド会計基準)およびIFRS(国際財務報告基準)に基づき、2024年9月30日を末日とする四半期の連結決算を発表しました。
2024年9月30日を末日とする四半期の業績ハイライト
TCS CEO(最高経営責任者) 兼 マネージングディレクターのK.クリティヴァサン(K. Krithivasan)は、当四半期の事業を振り返り、次のように述べています。
「ここ数四半期の慎重な傾向が今期も継続しています。不透明な地政学的状況の中で、TCSの主要事業である銀行・金融・保険は回復の兆しを見せました。また、新興市場も好調な業績を記録しました。TCSは引き続き、お客さまや従業員をはじめステークホルダーにより高い価値を提供できるよう注力していきます」
TCS CFO(最高財務責任者)のサミール・セクサリア(Samir Seksaria)は、次のように述べています。
「当四半期は、持続可能な成長を確実に実現するために、人材とインフラに戦略的投資を行いました。規律をもってこれを実行したことで、優れたキャッシュコンバージョンを達成しました。長期的なコスト構造は変わらず、業界をリードする収益性の高い成長を今後も実現し続けることができると確信しています」
TCS 人事部門グローバルヘッドのミリンド・ラカド(Milind Lakkad)は、次のように述べています。
「上半期に11,000人の新入社員を迎え入れ、研修生の受け入れも計画通り順調に進んでいます。また、26年度の新卒採用の募集も開始しました。TCSの豊富な人材基盤と、充実した学習プログラムにより、お客さまからの複雑な技術変革の依頼に応えられるケイパビリティを十分に備えています」
産業分野 |
構成 (%) |
Y-o-Y* |
|
Q2 FY24 |
Q2 FY25 |
||
銀行・金融・保険 |
32.6 |
30.8 |
0.1 |
小売・消費財向けビジネス |
15.9 |
15.1 |
0.1 |
ライフサイエンス&ヘルスケア |
10.9 |
10.4 |
0.1 |
製造 |
8.6 |
8.6 |
5.3 |
テクノロジーサービス |
8.6 |
8.0 |
- 1.9 |
通信&メディア |
6.9 |
5.9 |
- 10.3 |
エネルギー・資源・公共 |
5.6 |
5.7 |
7.0 |
その他の産業分野 |
10.9 |
15.5 |
50.4 |
合計 |
100.0 |
100.0 |
5.5 |
*前年比
**恒常通貨ベース
地域 |
構成 (%) |
Y-o-Y* |
|
Q2 FY24 |
Q2 FY25 |
||
アメリカ |
|
|
|
北米 |
51.7 |
47.6 |
- 2.1 |
ラテンアメリカ |
2.0 |
1.8 |
6.8 |
欧州 |
|
|
|
英国 |
16.5 |
17.0 |
4.6 |
欧州大陸 |
14.9 |
14.6 |
1.8 |
アジア太平洋 |
7.8 |
8.0 |
7.5 |
インド |
4.9 |
8.9 |
95.2 |
中東・アフリカ |
2.2 |
2.1 |
7.9 |
合計 |
100.0 |
100.0 |
5.5 |
*前年同期比
**恒常通貨ベース
サービス分野別: お客さまは、顧客獲得の加速、ERP プラットフォームを含むデジタル・コアのモダナイゼーション、企業のオブザーバビリティ(可観測性)、規制コンプライアンス、セキュリティ体制の改善といった取り組みを優先しました。
裁量的支出は影響を受けたものの、お客さまは投資を継続し、AI・生成AI の活用により業績を向上させています。TCSは、AI に関する戦略立案、優先順位付け、導入を大規模に実行するための学際的でAI に特化したセンター オブ エクセレンス(CoE) を設立しました。
当四半期の成長を牽引したのは、サイバーセキュリティ、AI.Cloud部門、TCS Interactive(インタラクティブ) でした。
主要な契約締結に至ったテーマは、ベンダーの統合、マネージド・サービス、ユーザーエクスペリエンス(UX)の変革、テクノロジーの簡素化、レガシーシステムのモダナイゼーション、エンタープライズ・ネットワークの変革、自動化、生成AIに関する取り組みなどでした。
AI.クラウド: AI・生成AI の導入が増えており、その基盤となるテクノロジーは急速に成熟しています。現在、600 を超える AI・生成AIに関するプロジェクトが、本番環境または開発のさまざまな段階で順調に進行中です。お客さまは、個別のユースケースに取り組むのではなく、企業のバリュー チェーン全体に AI を組み入れることにますます注力しています。TCSでは、製品やソリューションのパッケージ全体でAI・生成AIの機能を有効に活用しています。AI Experience Zone(AIエクスペリエンスゾーン) や TCS AI WisdomNext™(ウィズダムネクスト)などのプラットフォームを通じて、従業員全体のスキルセットを深め続けています。クラウド分野では、レガシーシステムのモダナイゼーション、データ・プラットフォームのモダナイゼーション、テクノロジー領域全体の簡素化が引き続き堅調に成長しています。
サイバーセキュリティ: お客さまはセキュリティ体制の改善に対する投資を引き続き増やしています。AI・生成AI の導入においてセキュリティ・ガードレールを構築するためのオファリングが堅調に推移しています。ガバナンス・リスク・コンプライアンス (GRC)、脆弱性管理、IDおよびアクセス管理、クラウド・セキュリティといった分野が主に成長を牽引しています。セキュリティ運用の変革、ランサムウェアに対するレジリエンスの強化、安全な生成AI も好調に推移しています。
TCS インタラクティブ: TCSのインタラクティブサービスは当四半期も引き続き成長しました。マーケティング担当者は、新規顧客の獲得と維持、製品の差別化に注力しています。これにより、データの活用による有効なセグメントの特定、カスタマーエクスペリエンス(CX)の改善、パーソナライズされたコンテンツの作成、ROI最大化に向けたアドテック(広告テクノロジー)やマーテック(マーケティングテクノロジー)の有効性、といった分野でビジネスチャンスが生まれています。TCSの多くの顧客企業で、CMO(最高マーケティング責任者) の担当領域がデジタル変革にまで拡大しています。消費は当四半期を通じてわずかに改善しており、マーケティング担当者はテクノロジー、データ、AI を活用してROI を向上させようとしています。
IoT&デジタルエンジニアリング: IoT&デジタルエンジニアリングは、未来の工場(スマート製造システム)、OT(オペレーショナルテクノロジー) のモダナイゼーション、インテリジェントな製品エンジニアリング、コネクテッドサービスおよびコネクテッドアセット、持続可能性が引き続き需要を牽引しました。当四半期中に成長を牽引した主要なサービスは、製造実行システム(MES)とインダストリー4.0、IoT プラットフォームサービス、デジタルエンジニアリングなどでした。IoT 主導のコネクテッドデバイスと製造プロセスの変革は導入が進んでおり、生成AI と組み合わせた産業用AI(デジタルツイン)の需要が高まっています。産業分野別では、テクノロジーソフトウェア&サービス、ライフサイエンス&ヘルスケア、エネルギー資源部門が成長を牽引しました。
エンタープライズ ソリューション: お客さまは、ERP のモダナイゼーションに引き続き投資しています。加えて、サプライ チェーンの最適化、請求業務のモダナイゼーション、サステナビリティ、販売チャネルやサービスチャネルの再構築に関するソリューションを求めて、事業変革やCX 変革の取り組みでTCS と提携しています。生成AI は、さまざまな業界で好調な伸びを見せています。
TCSの変革へのアプローチ、文脈的知識*、TCS Crystallus™(クリスタラス)などの業界向け事前構成ソリューションが、お客さまの成長と変革への取り組みを加速させています。TCSは、パートナーと共同の市場進出(Go-to Market)戦略に引き続き投資しています。
*contextual knowledge(コンテクスチュアルナレッジ) : お客さまが置かれたさまざまな状況において適用すべき最適な知見
コグニティブビジネス オペレーション: 当四半期、TCS Cognix™ (コグニクス)主導のIT運用モデル変革が大きく寄与し、堅調なTCV(総契約額)を記録しました。ITインフラストラクチャやビジネスオペレーション全体で、複数の大きな契約を結びました。成長を牽引した主な分野は、ベンダー統合、従業員エクスペリエンスの向上、職場変革、ネットワークの再構築、アウトソーシングの導入などでした。ビジネスプロセスサービスでは、銀行、保険、カード業務、サプライ チェーンのオペレーションが堅調に推移しました。
2024年9月30日現在、TCSは当期に出願した160件を含め、8,354件の特許を出願中で、当四半期に取得した223件を含め、これまで4,369件の権利を取得しています。
2024年9月30日時点で、TCSの総従業員数は61万2,724人となりました。従業員は引き続き多様性に富み、出身国は150カ国に渡り、女性従業員比率は35.5%となりました。
従業員は、現在までに2,610万時間の学習時間を記録し、獲得した専門スキルは、260万に達しました。ITサービス部門の過去1年の離職率は12.3% LTMでした。
以上
タタコンサルタンシーサービシズ(TCS)は、世界中の大手企業における変革の道のりを50年以上に渡り支援している、ITサービス、コンサルティングおよびビジネスソリューション企業です。コンサルティングを基盤とし、コグニティブ技術を活用した、ビジネス、テクノロジー、エンジニアリングのサービスやソリューションを総合的に展開しています。これらをTCS独自のソフトウェア開発基準である「ロケーションインディペンデント・アジャイル・デリバリーモデル(Location Independent Agile™ delivery model)」を通じ、地理的な制約にとらわれることなく提供しています。
TCSは、世界最大規模の多国籍複合企業体であるタタ・グループの一員で、最高水準のトレーニングを受けた61万2,000人を超える人材を擁し、世界55カ国で事業を展開しています。2024年3月31日を末日とする会計年度の売上高は290億米ドルで、インドナショナル証券取引所とボンベイ証券取引所にも上場しています。また、気候変動に対する積極的な取り組みや表彰を受けた地域活動を世界中で展開しており、MSCIグローバル・サステナビリティ・インデックスやFTS4Eグッド・エマージング・インデックスをはじめ、主要なサステナビリティ指数の構成銘柄に名を連ねています。
TCSの詳細は、www.tcs.comをご覧ください。