TCS、売上高300億ドルのマイルストーンを突破
好調な受注により長期的なレジリエンスを確実に強化
このページは、2025年4月10日(現地時間)、インド・ムンバイで発表されたプレスリリースの日本語訳です。発表内容の詳細は原文をご覧下さい。
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ムンバイ、2024年4月12日: ITサービス、コンサルティング、ビジネスソリューション企業であるタタコンサルタンシーサービシズ(TCS)は、Ind AS(インド会計基準)およびIFRS(国際財務報告基準)に基づき、2025年3月31日を末日とする四半期の連結決算を発表しました。
2024-2025年度 通期 業績ハイライト | 2025年度 第4四半期 業績ハイライト |
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TCS CEO(最高経営責任者)兼マネージングディレクターのK クリティヴァサン(K Krithivasan)は、次のように述べています。
「年間売上高が300億ドルを超え、2四半期連続で好調な受注を達成できたことを大変喜ばしく思います。AIやデジタルイノベーションに関する専門知識を、他に類を見ない顧客ベースとグローバルの実績を組み合わせることで、マクロ経済の不確実性が継続する現況においても、お客さまを支える柱となっています。TCSはお客さまに寄り添い、お客さまが最優先の目的を達成できるよう、引き続き尽力してまいります」
TCS CFO(最高財務責任者)兼エグゼクティブディレクターのサミール・セクサリア(Samir Seksaria)は、次のように述べています。
「2025年度も規律をもって業務を実行し、厳格な事業運営を行った結果として、際立った業績を達成しました。また、人材育成と能力開発への投資を継続しつつ、業界トップクラスの利益率を維持できました。昨今の非常に厳しい環境下において長期的な価値を創造するために、人材、イノベーション、インフラへの投資を適切に行い、今四半期も堅調な収益とキャッシュフローを実現しました」
TCS CHRO(最高人事責任者)のミリンド・ラカド(Milind Lakkad)は、次のように述べています。
「2025年度の新入社員研修生数は4万2,000人でした。また、Top Employers Instituteより、『Enterprise-Wide Top Employer(会社全体としてのTop Employer)』の認定を取得しました。これは、TCSが2025年も『Global Top Employer(グローバル・トップ・エンプロイヤー)』に選出され、10年連続受賞の栄誉にあずかった実績に基づくものです。私たちは、従業員の専門的および個人的な成長と幸福、そして目的意識に基づくエンゲージメントを重視することで、従業員に選ばれる企業として業界最高の定着率を維持し続けていることを誇りに思います」
産業分野 |
構成 (%) |
Y-o-Y* CC**成長率(%) |
構成 (%) |
Y-o-Y* CC**成長率(%) |
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Q4 FY24 |
Q4 FY25 |
FY 2024 |
FY 2025 |
|||
銀行・金融・保険 |
31.3 |
31.2 |
2.5 |
32.0 |
30.9 |
0.7 |
消費者向けビジネス |
15.7 |
15.3 |
-0.2 |
15.8 |
15.3 |
0.3 |
ライフサイエンス&ヘルスケア |
10.9 |
10.1 |
-5.6 |
10.9 |
10.4 |
-1.6 |
製造 |
8.8 |
8.4 |
-2.9 |
8.6 |
8.5 |
2.9 |
テクノロジー&サービス |
8.2 |
8.1 |
1.1 |
8.5 |
8.1 |
-1.3 |
通信&メディア |
6.6 |
5.8 |
-9.8 |
6.8 |
5.9 |
-9.5 |
エネルギー・資源・公共 |
5.6 |
5.7 |
4.6 |
5.6 |
5.7 |
5.1 |
その他の産業分野 |
12.9 |
15.4 |
22.5 |
11.8 |
15.2 |
37.2 |
合計 |
100.0 |
100.0 |
2.5 |
100.0 |
100.0 |
4.2 |
*前年比
**恒常通貨ベース
地域 |
Q4 FY24 (%) |
Q4 FY25 (%) |
Y-o-Y* CC**成長率 (%) |
FY 2024 (%) |
FY 2025 (%) |
Y-o-Y* CC**成長率 (%) |
アメリカ |
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北米 |
50.0 |
48.2 |
-1.9 |
51.1 |
48.2 |
-1.8 |
ラテンアメリカ |
2.0 |
1.8 |
4.3 |
2.0 |
1.9 |
6.0 |
欧州 |
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英国 |
16.8 |
16.8 |
1.2 |
16.5 |
16.8 |
4.0 |
欧州大陸 |
14.6 |
14.3 |
1.4 |
14.9 |
14.3 |
0.7 |
アジア太平洋 |
7.8 |
8.1 |
6.4 |
7.8 |
8.0 |
6.8 |
インド |
6.7 |
8.4 |
33.0 |
5.6 |
8.6 |
62.6 |
中東・アフリカ |
2.1 |
2.4 |
13.2 |
2.1 |
2.2 |
11.2 |
合計 |
100.0 |
100.0 |
2.5 |
100.0 |
100.0 |
4.2 |
*前年同期比
**恒常通貨ベース
サービス分野別
AI.クラウド: お客さまはAIや生成AIへの投資を引き続き拡大しました。生成AIやAIエージェントに関するサービスやソリューションが、業界や市場を問わず堅調に推移しています。
例えば、北米の大手公益事業会社は、LiDAR(ライダー:レーザー光を照射して対象物までの距離や形状を計測する技術)、衛星画像、気象パターン、植生特性、広範囲火災事故に関するデータを用いたAIモデルの構築とトレーニングをTCSに委託しました。こうしたデータは、剪定前検査、剪定指示、予算編成、予測、早期リスク予測の向上に利用され、公益事業会社や地域社会の植生管理や災害軽減に寄与します。ビジネス向けのAI関連ツールやサービスも四半期単位で大幅な成長を続けています。
例えば、OTT(Over The Top:インターネットを通じてコンテンツを配信するサービス)を手がける世界有数のテック企業向けに、映画脚本を分析・評価する生成AIツールを構築しました。この評価・分析ツールは、視聴データと、映画の脚本やコンテンツに基づいてインサイトを生成し、お客さまにパーソナライズされた、安全で信頼できる魅力的な視聴体験を提供します。
また、2025年度は、AIを通じたソフトウェアエンジニアリングの再構築でも大きな成果を上げています。契約案件の3分の1以上でAIや生成AIが利用され、プロジェクトの成果と品質が向上しています。世界的な金融サービス大手企業向けには、生成AIとTCS Mastercraft™(マスタークラフト)を組み合わせ、5,000万行を超えるCOBOLコードをJavaに移行しました。さらに、WisdomNext™(ウィスダムネクスト)2.0のプラットフォームにエージェント機能を追加・強化しました。
これにより、新人研修の迅速化、ガバナンスの一元化、セキュリティガードレールの強化、および幅広い業界向けにイノベーションを加速させるプラグインソリューションの提供が可能になりました。クラウドサービスでは、レガシーシステムのモダナイゼーション、データプラットフォームのモダナイゼーション、テクノロジー領域の簡素化が、引き続き好調に推移しています。
サイバーセキュリティ: 当四半期も、サイバーセキュリティサービスは引き続き好調に伸長しました。お客さまは、マネージド検出・応答(MDR:Managed Detection & Response)、IDおよびアクセス理、ガバナンス、リスクおよびコンプライアンス(GRC:Governance, Risk & Compliance)に注力しています。ネットワークセキュリティ、クラウドセキュリティ、およびサイバーセキュリティ向けの生成AIも好調に推移しました。
業界別では、ライフサイエンス&ヘルスケア、通信&メディアが成長を牽引しました。
TCSインタラクティブ: 今四半期、デジタルインタラクティブサービスが市場において高い需要が見られ、好調に伸長しました。AI導入によりマーケティングの最適化が進むとともに、CXの向上とデータの充実・整備に対する根強いニーズが新たなビジネスチャンスを生み出し続けています。
TCSは、「AIを活用した創造的なエンジニアリング(Creative Engineering powered by AI)」という網羅的なテーマを掲げて独自のポジションを確立しています。既存のお客さまとのつながりを重視して新たなステークホルダーとの関係性を構築し、需要を創出し続けて当社に対する認知度や関心を向上させました。
IoT&デジタルエンジニアリング: 今四半期に非常に好調な成長を遂げました。お客さまはスマート製造システム、コネクテッドIoTサービス、エネルギー管理、デジタルスレッドへの投資を継続しています。
エンジニアリングや製造におけるコストの最適化が引き続き高い需要を示しています。産業分野別では、主に公益事業、エネルギー、テクノロジーソフトウェア&サービスが伸長しました。市場別では、北米、英国、ラテンアメリカが成長を牽引しました。
エンタープライズソリューション: 全体的に好調に伸長しました。テクノロジー&サービスと銀行・金融・保険が成長を牽引しました。AIや生成AIが業界に革新を起こす中、財務、調達、サプライチェーン、カスタマーサポートといった領域がビジネスの成長に向けて再構築されています。
TCS Crystallus™(クリスタラス)と各業界に関する深いインサイトを活用し、デジタルトランスフォーメーションとサステナビリティを加速するというTCSの戦略は、お客さまから大きな支持を得ています。AIや生成AIを活用してCrystallus™自体も強化しています。ローコード・ノーコードへの移行やERPのための高度な生産性向上ソリューションの構築も推進しています。
コグニティブビジネスオペレーション: 当四半期は、主に財務・会計、人事、CXといった分野におけるビジネスプロセスサービスで多くの案件を獲得しました。高い需要があった主なテーマは、AI主導の変革、運用モデルの変革、アウトソーシングの導入でした。TCSは、財務・会計、サプライチェーン、調達、人事、CXなどさまざまな領域専門の150以上のAIエージェントを備えた「自律型AIファーム」の構築に注力しており、お客さまが「自律型グローバルビジネスサービス(GBS)」を実現できるよう支援していきます。
2025年3月31日現在、TCSは当期に出願した267件を含め、8,816件の特許を出願中で、当期に取得した235件を含め、これまで4,820件の権利を取得しています。
2025年3月31日時点で、TCSの総従業員数は60万7,979人となりました。女性従業員比率は35.2%、国籍構成は152か国に渡ります。今年度の初頭から現在までに、5,600万時間の学習時間を記録し、習得した専門スキルは520万件に達しました。ITサービス部門の過去1年の離職率は13.3% LTMでした。
以上
タタコンサルタンシーサービシズは、世界の様々な業界を牽引する大手企業からデジタル変革およびテクノロジーパートナーに選ばれています。1968年の創業以来、最高水準のイノベーション、卓越したエンジニアリング、カスタマーサービスを提供してきました。
タタ・グループの伝統を礎とするTCSは、お客さま、投資家、従業員、そして地域社会に長期的な価値を創造することに注力しています。世界55カ国に60万7,000人を超えるコンサルタントを擁し、世界180カ所にサービスデリバリーセンターを擁するTCSは、世界各地でトップ・エンプロイヤーに認定されており、新技術を迅速に適用・拡張する能力を活かしながら、お客さまとの長期的なパートナーシップを構築し、適応力のある企業への成長と変革を支援しています。こうした関係は数十年にわたり継続し、1970年代のメインフレームから現在のAIに至るまで、あらゆるテクノロジーサイクルを乗り越えてきました。TCSは、人々の健康、サステナビリティ、さらに地域社会のエンパワーメントの促進に重点を置き、TCSニューヨークシティマラソン、TCSロンドンマラソン、TCSシドニーマラソンなど、世界で最も権威ある14の都市マラソンおよび耐久レースをタイトルスポンサーとして支援しています。2025年3月31日を期末とする会計年度において、TCSの連結売上高は300億米ドルに達しました。
TCSの詳細についてはwww.tcs.comをご覧ください。