チェンナイ、2019年10月16日: タタコンサルタンシーサービシズ(TCS)の戦略事業部門であるTCS iON(TCSアイオン)は、インド・チェンナイにおいて、インド国内における6,000カ所以上の試験会場をリアルタイムでモニターする人工知能(AI)駆動型のコマンドセンターの稼働を開始したことを発表しました。
これは、新たに開発した物理的なインフラに、デジタルモニタリングプラットフォームを構築したTCS iONにより、試験管理者に対し、公正かつ透明性が担保された試験運営の支援を目的としています。
このセンターは、インド・チェンナイのショリンガナルールに開設され、以下の最新機能を備えています。
*Closed-circuit Television: 閉鎖回路テレビ。通常のテレビが広範囲に映像を供給するのに対し、CCTVは特定の建物・施設などの閉鎖環境内で撮影機器(カメラ)と受像機器(モニター)が有線で接続され、撮影とモニタリングが完結することからこう呼ばれる。
試験の実施を妨げる状況や、サーバやシステムの異常、試験に使用するデバイスに不具合が生じた場合は、迅速に対応できるよう、モニタリング対象の状態を自律的に判断し、簡易アラートでTCS iONおよび会場に異常を通知し、コマンドセンターで試験会場の状態をモニターします。
また、TCSの遠隔電力管理ソリューションEnergy Management Solutionにより、試験の実施において主にサーバー関連の重要な電力パラメータのモニタリングも行います。予防メンテナンスを目的として、センサーでリアルタイムデータとサーバおよびUPS*ルーム内の温度データを収集することで、リアルタイムに近いモニタリングとデータ解析を可能にしています。Energy Management Solutionにより、いち早く不具合を検出する上で重要な事象を通知するアラートが通知されます。このような自律型のソリューションにより、試験中の電力トラブルや、その他の問題による試験中断も回避します。
*Uninterruptible Power Supply: 無停電電源供給
TCS シニアバイスプレジデント 兼 TCS iONグローバルヘッドのヴェンガスワミィ・ラマスワミィ(Venguswamy Ramaswamy)は、次のように述べています。
「今回、チェンナイに開設したTCS iONコマンドセンターは、受験生の進路にかかわる重要な試験において発生する複数のイベントをリアルタイムで監視する上で、理想的な体制を備えているといえるでしょう。国内外を問わず、たとえ遠隔地の会場で大規模な試験を実施する場合でも公正を担保し、無料でモニタリング処理する方法を探ることは今後の課題であり、国内における試験処理を安全かつスケーラブルにするTCSのビジョンにも適うものといえます。クラウド、アナリティクス、アルゴリズム主導のAI、IoTフレームワーク、その他ハイエンドのコンピュータ処理および画像処理アルゴリズムなど、TCSのデジタル技術を横断的に駆使することで、エンド・ツー・エンドの試験処理におけるリアルタイムのモニタリングを可能にしています。大規模な試験のモニタリングに関して、あらゆる角度から確実性の担保を目指し、より高い目標を掲げていきます」
デジタル環境下の試験実施を可能とするTCS iONは、インド国内の教育委員会や入試機関に採用されています。学生の進路にかかわる大規模な試験にも導入され、延べ643都市の6,444会場、受験者数は2億人以上、延べ3,180の試験で活用されています。
TCS iONについて
TCS iONは、タタコンサルタンシービシズ(TCS)の戦略事業部門です。フィジタル*プラットフォームを、学生募集、入学業務、学習・研修などの事業全体に活用し、教育機関、政府機関、複数の産業セクターの業務効率化を目的としたクラウドサービスです。これらのプラットフォームにより、物理的資産をデジタルテクノロジーで補強します。
TCS iONならではのITaaS(サービスとしてのIT)モデルを用い、業績の伸びに応じ使用量に課金していくビジネスモデルにおいて、簡便かつセキュリティにも優れた統合ホストソリューション・プラットフォームを提供しています。TCSが蓄積したベストプラクティスや、テクノロジー分野におけるリーディングカンパニーとしての専門知識とともに、インド国内市場に根差して展開し、顧客に優れたサービスを提供しています。
*Phygital: フィジカル(Physical)とデジタル(Digital)を組み合わせた造語。現実世界とVR(仮想現実)やAR(拡張現実)、IoTなどのテクノロジーが描くデジタル世界を融合した「体験」を通じてカスタマーエクスペリエンス(CX)の向上を図ることを目指す概念。
Tata Consultancy Services Ltd(TCS)について
タタコンサルタンシーサービシズは、創業から50年に渡り、革新的かつ業界最高水準のIT サービス、コンサルティング、およびビジネスソリューションを世界中の大手企業に向けて提供し、その変革への道のりを支援している、ITサービス、コンサルティング、およびビジネスソリューション企業です。TCS はコンサルティングを基盤とし、コグニティブ技術を活用したBPS、エンジニアリング・サービスやソリューションを総合的に展開しています。これらを卓越したソフトウェア開発の基準として認識されている、TCS 独自の「ロケーションインディペンデント・アジャイル・デリバリーモデル(Location Independent Agile™ delivery model)」を通じ、地理的な制約にとらわれることなく提供しています。
TCS は世界最大規模の多国籍複合企業体であるタタ・グループに属し、最高水準のトレーニングを受けた45万人を超える人材を擁し、世界46カ国で事業を展開しています。2019年3月31日を末日とする会計年度の売上高は209億米ドルで、インドナショナル証券取引所とボンベイ証券取引所にも上場しています。また、気候変動に対する積極的な取り組みや表彰を受けた地域活動を世界中で展開しており、ダウ・ジョーンズ・サステナビリティ・インデックスやMSCI グローバル・サステナビリティ・インデックス、FTS4Eグッド・エマージング・インデックスをはじめ、主要なサステナビリティ指数の構成銘柄に名を連ねています。
TCSの詳細については、www.tcs.comをご覧ください。
※本内容は2019年10月16日(現地時間)、インド・チェンナイで発表されたプレスリリースの抄訳です。