コンファレンス登壇レポート
第9回価値創造デザインフォーラム
~だれでもデザイン? - 科学と社会をつなぐ未来のクリエイション~
2024年2月2日(金)に、東京大学 生産技術研究所 価値創造デザイン推進基盤が主催する「第9回価値創造デザインフォーラム『だれでもデザイン? - 科学と社会をつなぐ未来のクリエイション』」に当社副社長執行役員チーフデジタルイノベーションオフィサー(CDIO)の中村 哲也がパネリストとして参加しました。
本イベントは3部構成で、東京大学生産技術研究所(IIS)の『価値創造デザイン(Design-Led X)』(以下、DLX)のこれまでの活動から見えてきたイノベーション教育と実践におけるデザインの可能性や挑戦を振り返ると共に、次の5年間を見据えたデザイン駆動のイノベーション戦略について、アカデミアとインダストリー、教育と実践を横断した議論が行われました。
第1部『まなぶ』:学生や社会人向けに提供してきたデザイン教育
第2部『つくる』:生産技術研究所の研究室との活動内容
第3部『つながる』:企業や行政など外部との取り組み
当社は、東京大学と2020年に締結した産学協創協定の一環として、DLX Design Labと協働で当社のお客さまのイノベーション創出に取り組んでおり、第3部『つながる』に当社CDIOである中村が登壇しました。
東京大学の今井 公太郎教授・栃木 栄太准教授、逗子市経済観光課 宮上 敦久氏、森記念財団 山中 珠美氏を交え、企業や行政との取り組み事例を紹介しながら、デザインがいかにイノベーションを創り出すかの可能性や挑戦、大学への期待についてディスカッションしました。
中村は、日本の企業が再びグローバルリーダーになるためには、サステナブルで大胆な事業変換を続けていかなければならず、そのために必要なのがイノベーションであると述べました。そのイノベーションには、何かを始める「インキュベーション」と社会実装までもっていく「スケール」のステージがあり、いずれにもクリエイティビティが必要と強調。日本はビジネスと技術(特に生産技術)は強いが、クリエイティビティが足りないのではないかという認識を共有したうえで、日本の産業界に資するクリエイティビティの強化に、当社がDLX Design Labのマイルス教授と協創してきたという経緯を語りました。
実際に当社はDLX Design Labとともに、ビジネス、サービス、テクノロジーとデザインを組み合わせ、航空、半導体、エネルギーなどさまざまな業界のお客さまのイノベーションジャーニーに伴走しています。
中村は、下記メッセージでパネルを締めくくりました。
「日本が元気になるには、事業変革が必要。そのためにはクリエイティビティが必要。そのためにはデザインが必要」
「ものづくり、おもてなし、世界一の実行力の日本にデザインの力が加われば、また世界をリードできるようになる」
「デザインが当たり前の一般教養になり“カイゼン”のように市民権になるよう(教育分野での取り組みを)お願いします」
東京大学と TCS は、2020 年 10 月に、デジタル技術活用に向けたコラボレーションを加速させるために産学協創協定を締結し、技術連携、人材交流、イノベーション創出、スタートアップエンゲージメントの領域において協創を推進しています。
今回のフォーラムでは、世界をリードするデザイン教育の未来と日本の産業界におけるイノベーションの重要性が再確認されました。日本TCSは、東京大学が考えるデザイン教育の構想と、世界の未来を創るリーダーやクリエイター(Future ShapersやChange Maker)の創出にこれからも協働していきます。