2024年1月4日
日本タタ・コンサルタンシー・サービシズ株式会社
代表取締役社長
垣原 弘道
2024年の年頭にあたり、謹んで新年のご挨拶を申し上げます。
まずはじめに、このたびの能登半島地震により被災された方々に、心よりお見舞い申し上げます。皆様の一日も早い復興を祈念しております。
当社は、2014年7月の発足以来、本年で11年目に突入します。ひとえに皆さまのご愛顧とご支援によるものと心より感謝申し上げます。
特にこの1、2年でますます多くのお客さまとご縁がつながり、共に歩む機会に恵まれましたこと、重ねて御礼申し上げます。なにより、お客さまから「TCSらしい仕事だ」とのお声をいただけるようになったことを、本当にうれしく思っております。
日本TCSの挑戦は、世界中の一流企業をデジタル技術で支えてきたTCSの実績に裏付けられた知見を、日本のお客さまへお届けすることに始まりました。そのために、豊富で高度なインドの人材を中心に、グローバル人材のスケール感のある活用に努めてまいりました。
現在では、日本、インドでそれぞれ 5,000人、合計1万人の体制で日本のお客さまを支援させていただくに至ります。 TCSは生成AIのトレーニングを10万人に施すなど最新技術に対応できる人材の育成に大規模な投資を継続しており、すでに世界中で導入実績を重ねています。私たちは「One TCS」として、TCSが世界の大手企業と共に培ってきたベストプラクティスをいち早く国内へ導入する体制を実現しました。
一方で、人材不足は日本が抱える最大の社会問題のひとつであり、極めて深刻な状況にあります。私たちは日本とグローバルの人材を組み合わせたユニークなデリバリーモデルの実現に向けて長年にわたり投資を続け、さまざまな文化のあいだで多くの摩擦や学びを経ながら、現在の日本TCSを形づくるに至りました。一日の長をもってこのモデルを通じ、日本の人材不足の課題解決にも応えていきます。
国内では、日本人に加えて、日本に常駐する 900人のインド人をはじめとした33か国籍のメンバーがお客さまのビジネス変革に従事しています。グローバル水準の研修と学習システムで最新のIT技術の習得に励むとともに、異なる文化を持つ仲間たちがお互いに理解し合い、率直に意見をぶつけ合える気風で、グローバルを舞台に活躍できる人材を育くむ環境を整備しています。
インドでは9地域10か所の日本企業専用デリバリーセンターで日本の言語や文化だけでなく商慣習の教育と、日本との人材交流を通じて、日本をより理解し、好きになり、日本の成長に貢献したいと思う5,000人のインド人材を育成してきました。
さらに日本TCSのユニークな点は、各開発拠点間で人材交流や、ニーズに沿った適材適所の人材配置を行い、国境を越えた「ワンチーム」としてプロジェクトを推進していることです。ハイブリッドな体制づくりの知見を蓄積し、開発のスピード感とケイパビリティー、人材のキャパシティーを力づよく発揮できるようになりました。
このような長年の努力の成果として、当社の「ワンチーム」に加え、「お客さまとの新しいパートナーシップ」を築くことができるようになりました。いわゆるユーザー対ベンダーの関係ではなく、ワンチームの輪をお客さまに広げる。こうした試みが実を結び、さまざまなお客さまから「まるで自社のケイパビリティーとキャパシティーが増えたようだ」と評価いただくようにもなりました。これこそ「TCSらしさ」であり、お客さまにも共感いただけるようになったことを、大変光栄に思います。
当社は、昨年10月に東京本社を麻布台ヒルズに移転するとともに、六本木オフィスを新設しました。麻布台オフィスでは当社の強みや最新のベストプラクティスを紹介するミニシアターやデモルームを、また六本木オフィスではハイブリッドなサービス提供体制のショールームを設置しました。東京にいながら、世界のイノベーションとスケールを体感いただけます。ぜひ、新オフィスにお越しいただければ幸いです。
日本TCSは、「Gateway to Globalization(業種やビジネスの拠点を問わず、競争力を高めるパートナー)」となることを使命としています。お客さまに新たな体験をご提供できる環境も備え、皆さまとこれまで以上に、あるいは、新たな「ワンチーム」を築き上げていけるよう、社員一同、精進してまいります。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。